ABOUT US
暮らしの中に心地よく息づく、手仕事のもの。
食べる、着る、使う、飾る、仕舞う、手入れするーー。
そんなわたしたちの日々のかたわらには、
器やカトラリー、テーブルや椅子、ラック、シェルフにソファ、ベッドなど
その営みを助けるさまざまな道具があります。

それらの道具を、「使えればそれで十分」と、考える人もいるかもしれません。

確かに、大量生産のものにあふれる現代においては
必要なものはいつでもどこででも簡単に手に入れることができます。
たとえ壊れても、お金を出しさえすればすぐに新しいものに買い替えられてしまいます。
それで「それなりには」快適に、便利に暮らしていくことができるでしょう。

けれど、私たちの暮らしは、
そんな日々のささやかな営みの一つひとつが折り重なって完成されていくものです。
日々手に触れ、暮らしを紡ぎ、日常の風景となっていくものの中で
私たちはその人生の軌跡を刻んでいきます。

言い換えれば、日々の道具は、私たちの暮らしの豊かさを映し出すもの。
道具の選び方は、暮らし方、ひいては生き方を選ぶことそのものでもあるのです。

幸運なことに、私たちの暮らすこの国には今も、
伝統を守り、職人の技やこだわりを尊ぶ心があります。
合理化や効率化を求める潮流の中でもなお、
手仕事のものを愛しみ、時を経て増していく味わいを楽しむ感性が息づいています。

使うほどに美しく深まりゆく木味、
その味わいを楽しみながら手入れを重ねていく喜びは、
日々の営みを豊かにしてくれます。
そうして大切に使い続けてきた道具は
その持ち主の人生の軌跡となって、単なる道具を超え、
ときに美しい風景となって、その暮らしを彩ってくれると思うのです。